“プラハの春”は武力により1968年夏に数か月で制圧されたが、市民より生まれた民主化と自由を求める波は周辺諸国へと広がり、1989年にソ連の解体、東欧革命へと発展。またヨーロッパを越え、1979年の韓国「ソウルの春」、2010年のアラブ諸国の「アラブの春」へと影響を与えた。
世界中で若者たちの理想とエネルギーが爆発した1968年-ベトナム反戦運動、五月革命、文化大革命、日本の学生運動。ソ連の共産主義支配下にあった東欧のチェコスロバキアでも、若者たちがデモやチラシで民主化運動を起こした。その機運は国中に広まり、検閲の廃止や言論の自由が認められ、ついに“プラハの春”が訪れたと国民が思った矢先、ソ連がワルシャワ条約機構の軍を率いてチェコスロバキアに侵攻。軍は、当時の最大報道機関であるラジオ局を制圧し、「ソ連がチェコスロバキア国民を救出に来た」とフェイクの放送を流そうとする。しかし、ラジオ局の報道局員たちは、権力と戦車に立ち向かい、回線技術を駆使し、ラジオ局の外から真実の報道を続け、市民を励まし続けた。
この心揺さぶる感動の実話を描いた本作は、チェコ本国で8週1位、年間動員1位、国内映画年間興行成績1位、国内映画歴代2位と記録的なヒットとなり、チェコとスロバキア両国の国内最高映画賞16冠と圧巻の受賞。アカデミー賞国際長編映画部門ショートリスト(最終15作品)に選出された。
“プラハの春”は武力により1968年夏に数か月で制圧されたが、市民より生まれた民主化と自由を求める波は周辺諸国へと広がり、1989年にソ連の解体、東欧革命へと発展。またヨーロッパを越え、1979年の韓国「ソウルの春」、2010年のアラブ諸国の「アラブの春」へと影響を与えた。
心揺さぶられるスリリングな物語
『アルゴ』のような緊張感!
上映中、
拍手が一度ではなく三度も起こった
ジャーナリズムの重要性を
力強く主張している
歴史を知らない観客も
きっと魅了されるだろう
1986年10月23日生まれ
脚本家、俳優、映画監督。チェスケー・ブジェヨヴィツェのカトリック高校に学び、16歳までアイスホッケーの競技選手として活動。学生時代には演劇に出演し、自作の戯曲で若手コンテストにて受賞。プラハのヤン・アーモス・コメンスキー大学で社会・マスコミュニケーションを専攻し、アメリカのニューヨーク・フィルム・アカデミーでは脚本講座を受講。2004年『Snowboarders』で映画デビューし、その後ミハエラ・パヴラートヴァー監督『Night Owls』、ボフダン・スラマ監督『Four Suns』、ヤン・ニェメツ監督『The Wolf from Royal Vineyard Street』などチェコ内外の監督と仕事を重ねる。国外作品では、TVシリーズ『ボルジア 欲望の系譜』、ドイツの法廷ドラマ『Die Ermittlung』、スイス映画『Charlotte, una di noi』などに出演。2008年、映画『Night Owls』でカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の主演男優賞を受賞、『Modelar』ではチェコ・アカデミー賞(チェコ・ライオン賞)助演男優賞も受賞。
監督デビュー作である自身脚本の『海へ行こう!』(英題:To See the Sea)(2014)はチェコ・アカデミー賞(チェコ・ライオン賞)で3部門ノミネート、チェコ映画批評家賞では5部門にノミネートされ、新人賞も受賞。また、ソウルYIFF、モントリオールICFF、VOICESヨーロピアン映画祭、モトヴン映画祭、ズリーン映画祭など、世界各地の映画祭で計17の賞を受賞。『On the Roof』(2019)ではマンハイム映画祭のグランプリ、カルロヴィ・ヴァリ映画祭の観客賞を受賞し、チェコ・アカデミー賞(チェコ・ライオン賞)では7部門にノミネートされた。そして本作『プラハの春 不屈のラジオ報道』は、世界中の映画賞で37ノミネート20冠に輝いた。